熱湯シャワー
アトピーの人や肌が弱い人なら馴染み深い言葉かもしれません。
馴染み深くなくとも、この単語を聞いて何のことかわかる方も多いかと思います。
弱っている肌に熱湯をかけると気持ちいいんですよ。
わからない人にはわからないかもしれないけど本当に気持ちいい。
すごい虚しいけどアトピー患者が得た特権ってこれくらいしか思いつかないってぐらい。
この熱湯シャワー、言わずもがな肌に悪そうなんですが、熱湯で消毒してると考えると悪くはなさそうな気もしてきます。
ていうかそういう本もあるみたい。
なおさら熱湯シャワーは悪じゃないんじゃないかと思えてきます。
結論から言うと熱湯シャワーは肌に悪いです。
あれはやっぱりよくない。確実に肌にダメージを与えています。
今回はその考えに至った経験談や理由、そして熱湯シャワーを浴びたくなる原因と対策、代替案についてになります。
熱湯シャワーはやっぱりダメ
熱湯シャワーを継続してやってみた結果
自分もアトピーが良くならなくていろいろ試行錯誤した時期があります。
熱湯シャワーも二週間ほど試してみました。おそらく50度とか60度の世界だったんじゃないでしょうか。火傷するレベルのを入浴時に浴びることを続けてみる。
熱いし痛い。でもめちゃめちゃ気持ちいい。
この状況、傍から見るとドMとしか言えないかもしれませんが、本当に気持ちいいのです。
ばっちり、皮膚の悪い部分も消毒できている気もします。
風呂上がりは当然真っ赤です。でも殺菌できているから問題なし。煮沸消毒だ。
というようなことを繰り返すこと二週間、首や胸元、足の付根がヒリヒリするように。
これは火傷では…?
アトピーも良くなっていない。むしろ悪化している。
自分は経験をもってして熱湯シャワーはアトピーに良くないなと確信。
専門的なことはわかりませんが、少なくとも自分の経験上では熱湯シャワーはアトピーの悪化に繋がりました。
ありとあらゆる面から見て肌に悪い
経験したってだけじゃ主張として弱いので……。
熱湯シャワーってのが肌によくない理由は乾燥・火傷の2つの面から見てよくないのも明らかかと。
まずは乾燥。
湯は肌の皮脂を落とします。ギトギトの脂ってお湯でとれるんですよね。
皿洗いをする人だとしっくりくるかもしれませんが、脂汚れでギトギトのお皿もお湯だけできれいに取れたりします。温度が高ければ高いほど。
高温のお湯の場合だと、皮膚の油脂もよく落とすわけですが、落とし過ぎで皮膚の乾燥を招きます。
皮膚の乾燥がアトピーに良くないのは言わずもがなですね。
次に火傷。
シャワーの温度でも十分火傷になります。
(参考にさせていただきました)
45度以上から火傷になるまでにかかる時間がものすごい減っていっているのがわかるかと思います。
45度のお湯だと3時間当てると低温やけどですが、50度だと3分、60度だと5秒です。
シャワーを熱湯にすると案外普通に火傷になります。
火傷が肌に良くないのは乾燥以上に言わずもがなかと思います。
熱湯シャワーがやめられない理由
それでもやめられない熱湯シャワー。気持ちいいからという理由の奥にもっと核心的な理由があるんじゃないかと思います。経験者として思いついたのが次の2つです。
蓄積された痒さが全部吹き飛ぶ
熱湯シャワーがやめられないのは、とてつもない快感を得るだけでなく、かゆい状態が全部リセットされる、といったところにもあります。
アトピーだと夏に汗をかいて全身がかゆい時や、冬に乾燥して全身がかゆい時だったりといろいろあるかと思います。
それが熱湯シャワーだと全部リセットされるんですよね。かゆくてかゆくてしょうがない状態がリセットされるんです。となるとなかなかやめられません。
かゆい状態から解放される手段ってそもそもあんまりありませんから。
なんか殺菌消毒している気がする
冒頭述べたとおりです。本当に煮沸消毒している気がするんですよね。
かゆみもなくなるし。
実際には肌を思っきり傷つけているわけですが。
肌に悪いことをしている感覚がわきにくい、というのも熱湯シャワーがやめられない原因の一つではないかと思います。
熱湯シャワーをやめるためには
熱湯シャワーの大前提として、肌が弱い部分に当てると気持ちいいということ。
つまり、正常な肌に当ててもそんなに気持ちよくはないのです。
となると、肌根本の治療に限ります。
『結局そうか~』とがっかりした人もいるかもしれません。しかしやっぱり確実なのは正攻法です。
その中でもなるべく熱湯シャワーをやめることに特化した方法をあげていきます。
就寝前の入浴と塗り薬。それと十分な睡眠
基本中の基本です。しかしこれが意外と難しかったり。
風呂を版に入らず朝に入ったり、入らない日が続くと、当然かゆくなります。
となると、お風呂に入った際にかゆみをどうにかしたい思いから熱湯シャワーを浴びがちに。
そのような状況を減らすため、お風呂は毎晩きちんと入りましょう。
アトピーだとなかなかお風呂に入るのは腰が重いかもですが、ここが踏ん張りどころ。
かゆさの度合いは比較的マシなので、熱湯シャワーを我慢できる、浴びたとしても短時間で我慢できる可能性がグッと上がります。
そしてお風呂上がりは薬を塗って十分な睡眠を。
正攻法で肌の調子を整えて、そもそも熱湯シャワーを浴びるメリットがない箇所(正常な肌)を増やしていきましょう。
遠回りに感じるかもしれませんが、正攻法を継続することが一番大事です。
応急処置:次亜塩素酸水をふっかける
じゃあかゆくなったときは? 熱湯シャワーが浴びられないなら我慢するしかないの?
実は、快感は得られないもののかゆみを一瞬で消す方法は存在します。
それは次亜塩素酸水です。セラ水(CELA)なんかが有名ですね。
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価格:900円 |
除菌・消臭なんかに使われる次亜塩素酸水。最大のメリットは、強い除菌・消臭作用をもっていながらも、吹きかけた部分は反応後水に変わるだけなので基本的に安心、といったところ。
肌に吹きかけてもその後水になるだけなんで薬品負けとかも一切ありません。
それでもってかゆみの要因の黄色ブドウ球菌を殺菌することができます。

(参考にさせていただきました)
アトピーのかゆみの原因は黄色ブドウ球菌の増加で、これを肌に対して負荷ゼロで殺菌してくれるわけです。
次亜塩素酸水は自分も試しましたが、本当にかゆみがスッとなくなります。
夏に汗をかいて帰宅したときとかもこれをシュッと浴びせるだけでかゆみが完全に引くのです。
効果の実感は、消臭効果でもわかるかと思います。汗臭い部分(脇とか足の裏)にこれを吹きかけると完全に無臭になります。本当にびっくりする。
これが肌に対して負荷がないってのが本当にありがたいです。
今回はCELAを例にあげましたが、次亜塩素酸水なら基本的にどれでも同じ効能を得られるかと思います。
熱湯シャワーと似たようなことをやってちゃダメ
最後に大前提ですが、熱湯シャワーを我慢しようと、熱湯シャワーと実質変わらないようなこと(高温のものを押し当ててかゆみを解決する的なこと)をしていても根本的解決にはなりません。
携帯カイロを患部に当てたりだとか、ドライヤーの熱風を当て続けるとか……。
自分の経験談ですが…。
せっかく熱湯シャワーを我慢したとしてもこういうことをしていると意味がありません。もういっそ熱湯シャワーを割り切ってしたほうがいいレベルです。気持ちいいし。
季節や環境の変わり目など、いろんな状況でアトピーがつらくなったりすると思います。
その時に熱湯シャワーにハマってしまうこともあるかと思います。
正直、ハマってしまうのは仕方ないことかと自分は思っています。
かゆいのに掻くな! とか言われても理不尽この上ないかと思います。
かゆいから掻くんです。つらいから熱湯シャワーあびるんです。
熱湯シャワーを浴びたことを反省せずに、熱湯シャワーを浴びなくても大丈夫な状況に持っていく。
こういった考えがアトピー治療をしていく上では大事なのかなーと自分は思います。
しかし……あの快感は一度経験したら抜けがたい!
こればかりは自分との戦いになりそうですね(・・;)
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