ネット上で東京五輪ボランティアについて不安や疑念の声があがっています。この件について自分もいろいろ思うことがあります。
結論から申し上げると、ボランティアの強制収集があったと確認できてる都市ボランティアの方は外野でもなんでも批判の声をあげるべきということです。
その批判の声はTwitterとかで投稿するだけでなく直接五輪運営に届けるのが何よりかと思います。
ちゃんとお問い合わせフォームも用意してくれています。
『東京2020大会 都市ボランティアに関するお問合せ先』のところに電話、メールの問い合わせ先が載っているかと思います。
こういったものは証跡を残したほうがいいですし、電話ですと一人の担当者にしか伝えられませんのでメールのほうがいいかと思います。
電話の場合だと担当者の人が確実に困るしね。この件に関して問い合わせるとしたら、答えてもらうのでなくまず見てもらうのが趣旨でしょうから。
なんでこんな考えにいたったのかを以下だらだらと書いていきます。
大会ボランティアと都市ボランティア
上で都市ボランティアには批判の声をあげるべき、みたいなことを書きました。そうです五輪ボランティアには種類があります。
都市ボランティア
空港・主要駅・観光地などで国内外の旅行者に対する観光・交通案内などを行うボランティアで、東京都が募集します。
大会ボランティア
競技会場や選手村などで、観客サービス、競技運営のサポート、メディアのサポートなどの大会運営を支えるボランティアで、組織委員会が募集します。
http://www.city-volunteer.metro.tokyo.jp/jp/faq/index.html
これらは混同しがちだったり、そもそも二種類あること自体そこまで認知されていなかったりするかもしれませんね。
詳しくは後述しますが、会場の暑さ対策が問題になっているのが大会ボランティア、ボランティアの強制的な呼びかけが問題になっているのが都市ボランティアです。
そういった意味から強制収集なのに疑念の声があがるような状態になっている都市ボランティアの公式問い合わせ先にのみ批判の声をあげるべき、と冒頭では書かせていただきました。
二種類のボランティアをごちゃまぜにして五輪ボランティア批判の声をあげると見当外れなことになってしまうので注意が必要です。
不安の声があがる五輪ボランティア
ネット上であがっている五輪ボランティアに関する主な不安の声をいくつか列挙。ここに書いていること以外にも問題はあがっているみたいです。
当然、会場の暑さ対策に関する問題は都市ボランティアとはほぼ無関係ですのでそのあたりもご注意を。
日当1000円で交通費・宿泊費の支給はなし

大会ボランティアの場合、10日以上、8時間ほど働いて日当1000円(プリペイドカード)で交通費・宿泊費なしというブラック企業も真っ青な内容。
これ、当初は日当すらなく批判の声があがったことからこういった処置が取られたのであろう、という。
なんというか考えてこれ、って絶望的ですよね。批判の声を聞いてこれってことは、多分これ以上の待遇の向上は期待できないってことですから。
上記サイトにも詳しく書いていますが、五輪の組織役員の方々は年間で数千万円もらっているみたいですね。すげえなあ。
ちなみに都市ボランティアの場合は5日以上、5時間ほどの稼働ですので大会ボランティアよりはゆるそうですね。こちらも手当は一切なさそうですが。
暑さ対策が全然だめ
東京五輪は7/24~8/9開催予定です。猛暑真っ只中です。
パラリンピックはこれの一月後くらいですがまだまだ残暑が厳しい時期です。
そんな中での開催というのに暑さ対策が全然だめといった声があがっています。
これはボランティアに限った問題ではありませんね。選手や観客にも言えることです。
代表的なものをいくつか。
会場にクーラーなし

※参考にさせていただきました
会場となる新国立競技場、クーラーがないんですよね。なんかすごいお金かけた結果嘘でしょ…というのが個人的な感想。形がダサいのはこの際仕方ないとしてそこまでお金をかけてそれは何? という感情のみが湧きます。
日本人はともかく世界各国からいろんなひとが来るわけです。寒いところに住んでる方々ももちろんです。
それを踏まえた上で判断して会場をつくったのかが非常に気になります。
かぶる傘で暑さ対策
灼熱地獄が予想される五輪会場に対し、都知事が出した案の一つがこれ。
色々思うことはありますが、個人的には『なんでこんなところに金つかうの』ってのが一番はじめに出てきた感想です。
こんなこの会場以外で一切使いみちのないような訳のわからないものを作ってどうするのでしょうか…。この会場でも使えるか危ういところです。

※なんと検証している方々がいました!
会場前にアサガオの鉢植えで視覚的に涼しく

なお実際は一切気温体温は下がらない模様。
ふざけてる場合じゃないんですよね本当に。熱中症の恐ろしさを知っているのか。
知っていなくともこんなにふざけている場合じゃないです。
そりゃ役員も自宅で一切クーラー使わず玄関にアサガオの鉢植え並べて夏を超えたとか実証してたら気概だけは感じますが。賛同はできないとしても。
おおよそそうでないと思われますので、自分からしたらこれはふざけているようにしか思えないです。
その他五輪委員が提案してる熱中症対策も疑問が浮かぶものが多いですね。瞬間冷却パックや冷たいタオルはわかるんですが、ミストシャワーとか扇子とかは 灼熱のドームの中で使っても効果は効果はあるのでしょうか…。
早朝からの競技は終電で前日入りさせて睡眠を取らせない
またここでは、暑さ対策のために競技開始時間が早朝になるマラソンなどの競技では「終電での会場入り」を想定し、競技までの待機時間に「ボランティア同士の交流機会や、士気を高めるような取り組み」を検討していくとしています。
参考サイトより
寝かせろよとの一言に尽きますね。
徹夜を強いるのはそもそもおかしいですし、ボランティア達に多大な負担を与えることは目に見えて明らかです。
熱中症対策は各自ですること、と体調管理を丸投げ自己責任にしておきながら、徹夜をさせるのがかなりおかしい話ですね。

※参考にさせていただきました。
とはいえ一応一日の労働時間は決まっているとのことなので昼も働いて徹夜させるようなことはないとは思いますが…。
そうとしても深夜の待機時間に 「ボランティア同士の交流機会や、士気を高めるような取り組み」は本当にいらないと思います。精神論もここまでいくと邪魔でしかないですね。
仮眠を取らせるのが何よりかと思います。
都市ボランティアに対して批判の声をあげてもいいと思った理由
ボランティアは志願制だから外野が文句言うもんじゃない

朝のワイドショー『スッキリ』で司会の加藤浩次さんが五輪ボランティア批判の声について一喝。
「それ以外の外野がウダウダ言ってんじゃねえよって思うな、俺は。まず応募してからだと思う」
このときは日当が出ないことに対して一喝した一言で、暑さや過酷さの話はしていませんでしたが、この発言に関しては至極当然でまっとうな正論だと個人的に思います。
そもそもボランティアとは、ということになりますしね。現地運営をボランティアじゃなくて雇用で進める考えはなかったのかという話もありますがひとまず置いといて。
集まる人達は何かしらの意味や目的、夢や希望をもってボランティアを志願したわけです。
厳しい条件でもボランティアに魅力を感じて自ら応募したわけです。
つまるところ、自己責任論です。厳しい言葉を使うとすれば。
そこでの待遇がおかしいとか、ボランティアに志願していない『外野の人たち』が騒いでも意味ないというかナンセンスなんですよね。
SM専門の風俗店に乗り込んで嬢の方々に片っ端から『なんてものでぶったりしてんだ! おじさんが痛そうじゃないか!』と説教しに行くくらいナンセンスです。こんな例えしかできなくてごめんなさい。
待遇に関しての疑問があればボランティアの方々が直々に声を上げるとかだとまだ筋は通ります。
とにかくボランティアである以上、無関係な外野が批判するのは結局文句程度で終わるわけです。ボランティアであれば。
都市ボランティアではボランティアへの強制的な呼びかけがあった

やっぱりありました。学生や社会人が半ば強制的にボランティアに駆り出される状況。
ボランティア募集期日を延長し、高校で五輪ボランティアの半強制的な呼びかけがあってから10000人ほど募集が増えたとのことなので、それくらいの人数が強制的にボランティアに駆り出されることになってしまった可能性が考えられます。
2,3年生対象にこの紙は配られたわけですけど、2年生の子で五輪のときは浪人生の子とかもいることも考えられるでしょうに、本当に気の毒でなりません。

こちらは社会人の例。スポンサー企業内ではそろそろ強制収集が始まるのではないのでしょうか。現状ではそういった声は聞きませんが、始まるとそういった声もあがってくるのではないかと。
この二件の強制収集は、両方都市ボランティアに対しての強制収集になります。
強制収集の都市ボランティアに自己責任論は通用しない
結局、ボランティアといいつつ強制的に招集された人間がいることがわかった時点で自己責任論が崩れ去ります。とすると労働環境が過酷である事に関して当然の疑問や批判があがります。
結果、この五輪ボランティアは『一方的に理不尽な社会現象』となり得るため、我々国民が批判の声をあげることにおかしな点がなくなります。
これらの理不尽な状況に対して強制収集された人、されるかもしれない人以外の人も、国民として運営側に疑問を投げかけてもおかしいことは何らありませんね。
もちろん、批判の声がナンセンスでないのは強制呼びかけの実績があった『都市ボランティア』の方です。
大会ボランティアは任意募集のみで目標値を大幅に超える人数が集まっています。強制的に駆り出されるであろう人がいたとの声はまだあがっておりません。(募集人数中4割ほどが外国人の方と聞くとなんかいろいろ考えてしまいますがここでは一旦スルー)
なので外野の人間が参加もしないボランティアについて文句を言うのはお門違いになります。
五輪ボランティアに関して心配・懸念・苦情等の感情が湧いている人は、強制収集により自己責任論は通用しない『都市ボランティア』の公式にこれらの疑問を問いかけ、批判の声をあげるのがよいかと思います。
その際は日当や交通費、食事代がろくにないことや無意味な徹夜をさせられることに対して疑問を問いかけるのであって、会場の暑さ対策の事などを問いかけないようにしましょう。
会場の暑さ対策に関しては、ボランティアとしてでなく観客や選手の懸念をして質疑を投げかけるのはアリかもしれませんね。暑さ対策に関してもこれはこれで絶対におかしいし…。
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